日本カーボンも昭和電工やSECカーボンと同様に、妥当な株価を試算してみます。
1.まずは、現在の売上、営業利益、最終利益、EPSの会社予想を確認
- 売上415億円
- 営業利益110億円
- 最終利益74億円
- EPSは670円
2.営業利益を予想してみます。
- 現状の予想は、上期が45億円、下期が65億円
- 既に下期が40%以上、上振れする計画となっています。
東海カーボンの決算発表の際のコメントや、新聞記事から黒鉛電極の価格は以下のような推移をしております。
- Q1(1~3月): 70万円
- Q2(4~6月): 90万円
- Q3(7~9月): 120万円
- Q4(10~12月): ここは未確定ですが、一旦120万円と仮定する
ちなみに、経済産業省で出している生産動態統計調査を見ると、1~3月は50~60万円くらいなので、日本向けと海外で価格が異なると思われます。Graftech internationalのIR資料を見ると、1月から90万円とか100万円で販売しています。たぶん、東海カーボンは半分国内、半分海外でちょうど70万円くらいの平均価格に落ち着いたものと思われます。
さて、この上記の四半期別の黒鉛電極の価格をベースに営業利益を推定すると、以下のようになります。
- 上期の平均が70万と90万の間で、80万円
- 下期の平均が120万円
- だとすると、販売価格は1.5倍になります。
価格が1.5倍になると利益は通常、それ以上になるのですが、ニードルコークスの価格も値上がりしているので、一旦利益率は変わらないと仮定すれば、営業利益は下期は上期の1.5倍になるので、45億円×1.5倍=68億円です。
すなわち、既に日本カーボンは下期の営業利益65億円と予測しているので、かなり黒鉛電極の価格見通しを反映してしまっているのです。
僕の予想では、下期の営業利益は保守的に見て65億円、仮に上振れしても75~80億円くらいにしかならないと思います。
- この上振れには、Q4の黒鉛電極価格が1トン当たり120万円から更に上がるか?
- もしくは、ニードルコークスがそこまで値上がりしておらず、利益率が高まっているか?
- のどちらかくらいだと思いますが、それでも試算してみると下期が75~80億円、通期で120~125億円というところです。
3.営業利益が120~125億円ということは、計画の1.1倍くらい。なので
- 最終利益も1.1倍くらい、EPSも1.1倍で740円くらい
4.妥当な株価はいくらか?を試算してみると
- PERが8倍: 5920円
- PERが9倍: 6660円
- PERが10倍: 7400円
日本カーボンは、他のカーボンの会社よりPERが少し高いです。これは僕はハイニカロンによる将来性に対してのプレミアムが載っているのだと考えています。すなわち、日本カーボンは黒鉛電極だけでなく、他に大きな将来性を持つハイニカロンがあるため、利益が伸び続ける可能性が他のカーボン各社より大きいとマーケットが認知しているのだと思います。
そうだとしても、まあ9~10倍がとりあえずは妥当かな?と思うので、7000円が妥当な株価だと思います。
既に一度7000円を達成しているので、日本カーボンは当面はあまり上値を追う余地は小さいだろうと言うのが私の見立てです。
ハイニカロンが大きな利益を出すかもしれない、という憶測による株価の急騰は全く別に起こり得るかもしれませんが、、。
カーボン各社や、黒鉛電極価格に興味のある方は、こちらの記事もご覧ください。
投資・資産運用に関して興味のある方はこちらの記事もご覧ください。
コメントを残す