昨晩日本時間の23時に、グラフテックが第3四半期の決算発表を実施しました。簡単にレビューしてみたいと思います。
1.まず、中国を除く世界の鉄鋼需要の見通し
- 2018年は、2.1%成長
- 2019年は、2.7%成長と、19年の方が成長率が上がる予測を立てています
2.生産キャパシティ拡大の取り組みについて
- 順調に推移
- 2018年末までに、キャパが+21%アップし、年間キャパが20万トン強とのこと
3.第3四半期の数字は?
- 売上: 455 million ドル= 500億円くらい
- 純利益: 199 million ドル= 220億円くらい
- 純利益率: 44%ですね
グラフテックは、販売価格を長期固定で契約しているので、売上も利益もほぼずっと横ばいです。そういう意味では全く面白くない決算発表ですね。
4.第1~第3四半期までのトータルの数字は?
- 売上: 1363 million ドル= 1500億円くらい
- 純利益: 625 million ドル= 690億円くらい
- 純利益率: 46%
5.黒鉛電極の販売価格は?
- 第3四半期は、平均で9700ドル = 108万円くらい
- 第1~第3四半期全体の平均は9900ドル = 110万円くらい
ほぼフラットです。第3四半期で価格が下がっているのは、長期固定契約の割合がより増えて、スポットで高値で売る分が減ったためです。7~9月はマーケット価格はもっと高いはずなので、長期固定契約のせいで少し損している現状です。そして10月からは更に損しますね。
ただ、あくまで5年間を通して、結局どちらが得なのか?という問題なので、現時点で損得を語るのは間違ってますが、、。
6.株価、時価総額、PERは?
- 現時点で株価が、17.17ドル、時価総額52億ドル=5700億円くらい
- 年間の純利益が900億円ちょっとあるので、PERだと6.5倍というところでしょうか、、。
東海カーボンや、SECカーボンも、6.5倍くらいを目安にすべきですね、、。
カーボン各社や、黒鉛電極価格に興味のある方は、こちらの記事もご覧ください。
投資・資産運用に関して興味のある方はこちらの記事もご覧ください。
最近読んだお薦めの本です。
グラフテックインターナショナルの記事、大変面白く拝見させていただきました。
・長期契約を通して2022年~2023年あたりまで売上の大半が確定されていることの真価が今こそ発揮されそうな点
・それにもかかわらずPER3倍を切りそうな点
なのが非常に興味深い銘柄だと思います。
債務超過であることが割安に放置されている理由の1つかと思いますが、昨今の利下げにより有利子負債の負担を減らす(利益率を改善させる)チャンスがあるのも面白いなと思っております。
長々とコメントを書いてしまいましたが、本銘柄を知るきっかけを与えていただき誠にありがとうございます。こういう時こそ、あえてやんちゃな投資に取り組んでみたいと思います。