カーボン各社の業績を左右する黒鉛電極の価格動向と分析

日本カーボン、東海カーボン、昭和電工、SECカーボンの業績、株価を予想する上で、非常に重要となる黒鉛電極の価格動向を調べてみました。

1.2017年の黒鉛電極の価格

人造黒鉛電極丸型を、生産動態統計で調べると、1トン当たりの価格が以下の推移です。

  • 1月:28万円
  • 2月:29万円
  • 3月:28万円
  • 4月:29万円
  • 5月:29万円
  • 6月:30万円
  • 7月:30万円
  • 8月:30万円
  • 9月:31万円
  • 10月:33万円
  • 11月:34万円
  • 12月:37万円

2.2018年上期の黒鉛電極の価格

同様に、生産動態統計で、1トン当たりの価格を調べると以下です。

  • 1月:46万円
  • 2月:60万円
  • 3月:57万円
  • 4月:92万円
  • 5月:96万円

1~3月は平均55万円程度、4~6月は90万円を超えて来てます。

上記は国内向け価格だと思います。東海カーボンの5月の決算時の説明会の質疑応答では以下の価格をIR担当者が答えています。

  • Q1:7000ドル台
  • Q2:10000ドル弱
  • Q3以降:11000ドル

1ドル110円とすると、以下になります。

  • Q1:80万円
  • Q2:100~105万円
  • Q3以降:120万円

Q1は国内向け価格と東海カーボンの価格に大きな差がありますが、これは国際価格は今年の1月から上がったが、国内価格は例年4月~改定になるため、そこで大きなギャップが生じたからだと思います。

  • グラフテックインターナショナルのIR資料を見ますと、既に今年の1月から100万円強で販売し続けています。
  • 日本向けが55万円、海外販売が100万円だとすれば、国内と海外で半分半分の販売量だとすれば、平均価格が78万円くらいになるので、だいたいの辻褄が合うと思います。(別の記事に、全体の約6割を占める輸出向け、とありました)

3.2018年下期の黒鉛電極の価格見通し

まだファクトはわかりませんが、いくつかの記事を抜粋してみます。

  • 上で書いたように東海カーボンのIRだと7月から120万円
  • 日経の7月20日の記事だと、「東海カは7月から、黒鉛電極の値上げを実施している。海外向けを1トン1万2000ドルと、従来計画より1000ドル程度引き上げた。国内向けも3~4割値上げした」
    • これを見ると、海外向けは130万円、国内向けも4~6月が90万円台なので、3~4割値上げすれば130万円くらいと考えられる
  • ブルームバーグ記事:全体の約6割を占める輸出向けは、7-12月で1トン当たり1万2000-1万3000ドル。従来想定の1万1000ドルを上回る
    • 130~140万円程度とのことです
  • スティールミント予想:Steel Mintの相場情報よると、現在、日本製黒鉛電極の成約価格は、1,100,000円~1,300,000円/MT(9,775~11,155米ドル/MT)ですが、2018年10月~12月になると、価格が1,4000,000円~1,500,000円/MT(12,455米ドル~13,330米ドル/MT)まで上昇すると予想されております

上記を見ると、安くても1トン当たり120万円以上。10月以降は150万円に近づく可能性も。妥当なラインとしては7~12月で130万円平均くらいが期待できそうです。

4.ちなみに、上記を踏まえた東海カーボンの上方修正余地について試算してみると、

  • やはり、それなりに上記の黒鉛電極の価格を織り込んでいると思われます。
  • まず、5月の決算時点での、今年の黒鉛電極事業の売上、営業利益、営業利益率の予測は以下です。
    • Q1:170億円、85億円、50%
    • Q2:215億円、114億円、51%
    • 下期:546億円、286億円、53%くらい
    • 下期を2分の1にすると、売上273億円、営業利益143億円です。

Q1を80万円だとすると、170億円÷80万円=2.1万トン。同じペースだとQ2が225億円、Q3が287億円くらいで、10億円くらいの売上の上振れ

Q1を75万円だとすれば、170億円÷75万円=2.3万トン弱。同様にQ2が244億円、Q3が310億円くらいで、これだと30億円くらい上振れしますね。

実際、生産キャパシティが9.6万トンあるので、毎四半期2.3万トン×4=9.2万トンですから、後者に近いのかもしれません。

5.ニードルコークスの価格は?、黒鉛電極の利益率はどうなるのか?

  • 7月時点で、黒鉛電極の販売価格の約3分の1をニードルコークスが占めると、ブルームバーグの記事にあります。
  • 1トン当たり40万~43万円くらいするようです。
  • 黒鉛電極の利益率が53%だとすると、東海カーボンは、5月時点では以下を予想していたと思われます
    • 1トン120万円、ニードルコークス40万円、利益が64万円、残りのその他加工費が16万円
    • 仮に1トン130万円になれば、利益は74万円になり、利益率は74÷130=56~57%くらいになる感じです。
    • 利益ベースで64⇒74だと、利益額が15%ほど増えます。ただ下期の予想に対して15%増えても、通期では7.5%の利益額アップというレベルのインパクトです。

6.結論として、2018年の黒鉛電極の価格は以下になります。

  • Q1:国内55万円、海外100万円。平均価格は販売数量次第
  • Q2:国内90万円、海外110万円。
  • Q3:国内も海外も120~130万円
  • Q4:国内も海外も130万円~くらい

昭和電工は26万トンの生産能力ありますが。国内が6万トン、海外が20万トンのようです。25%が国内、75%が海外なので、平均価格は

  • Q1:89万円
  • Q2:105万円
  • Q3:125万円
  • Q4:130万円

くらいになりそうですね、、。この想定で再度営業利益を試算し直してみます。

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