2019年と2020年の黒鉛電極の価格の見通し

来年以降の黒鉛電極価格の動向を調べてみました。

1.2019年の黒鉛電極の価格はどうなるのか?

  • 2019 年度後半には、日本の黒鉛電極の価格は更に30%程度上がると想定される
  • 理由は、ニードルコークスの価格の更なる上昇のため
  • ここで気をつけなければいけないのは、価格が上がっても利幅は変わらない可能性が高いということです

便乗値上げの余地があり、更に営業利益を増やしてくるのか?はこれだけではわかりません。

但し、前の新料金システムのコンセプトを踏まえると、基本は利幅は変わらない気がします。

一方で、既に 2019 年下半期の価格交渉が本格化しており、電気炉メーカーは黒鉛電極の購入を優先的に考えているようなので、多少利幅が上がる余地もあるようではあります。

2.ちなみに、2018年10月現在の国内の黒鉛電極価格か?

  • 現在の日本国内の黒鉛電極の契約価格は 150万円/トンです。

3.さて、2020年以降の黒鉛電極の価格はどうなるのか?

  • 中国で、UHPの生産能力が2019年から大きく増強されます
    • 2019年: +20万トン
    • 2020年: +16万トン

これにより、世界の生産能力は、世界の需要を超えるようです。特に2020年には生産能力が需要を10%程度上回る模様です。

なので、先行きは、価格下落トレンドになる可能性が高いです。正確に言うと価格はニードルコークスのせいで上がるかもしれませんが、利幅は下落するトレンドという意味です。

4.黒鉛電極メーカーはいつまで儲かるのか?

  • 2018年は、めちゃめちゃ儲かることがもう確定。4社とも最終的には予想を上回るでしょう。
  • 特に、昭和電工とSECカーボンは、大幅な上方修正が確実です。

2019年は、まだ需要=供給くらいなので、利幅は確保されます。

また中国とアメリカの貿易戦争のせいで関税が上がっているため、中国でいくらUHPの生産能力が拡大しようとも、アメリカの価格は高い水準が維持され続けます。これは足元1年くらいは黒鉛電極メーカーの利幅増に繋がるでしょう。

一方で、中国で余剰生産されたUHPがアメリカ以外に流れることになるので、価格下落圧力が強まるかもしれません。

ただし、同じUHPと言っても日本メーカーと中国メーカーでは質が異なると言う噂があるのと、副資材の交換はそんなに簡単にやりませんから、2020年くらいも同レベルの利幅を保てるかもしれません。

明確な利幅減少が見えてくるのは2021年というところでしょうか?

マーケットの市況次第ですが、短期的に昭和電工とSECカーボンに投資して、決算発表による株価の反発を狙うのは有ですね。

決算発表される数字は間違いなく上方修正なので、あとは、マーケットの市況をどう読むか?の勝負になっちゃいますが、、。

カーボン各社や、黒鉛電極価格に興味のある方は、以下記事もご覧ください。

投資・資産運用に関して興味のある方は以下の記事もご覧ください。


“2019年と2020年の黒鉛電極の価格の見通し” への3件のフィードバック

  1. 電極好きです。 より:

    時々拝見させていただいております。貴重な意見ありがとうございます。
    中国での電極増産ですが、UHPの名称でも熱効率や折損に対する強度など
    東海や昭電などの大手と中国品では明らかに異なるので簡単に増産→供給充足とならないようです。また、中国は24インチ以下、日欧米では32インチが主流のようで、中国の増産でマーケットが崩れることはそう簡単になささそうです。これは東海の長坂さんのコメントのとおりだとおもいます。またニードルコークス供給大手のPhilips66が増産投資に動いていないこと、昭電とGTIの増産分でPhilipsの余力分を取ってしまうこともあり、引き続きニードルコークス需給は締まることが予想され、電極価格も引き締まった状態が少なくとも20年までは続く可能性がありそうです。国内外の電炉決算では電極は来期以降は爆発的な値上がりは予想してないみたいですが、それは今後の電極の決算説明を聴いていくうちに明らかになりそうですね。

    • 孔明 より:

      コメントありがとうございます。
      中国産のUHPは、日本産とは品質が異なるとはおっしゃっていましたね。
      いつまで技術的優位性が持つのか?はわかりません。

      ニードルコークスの価格は上がり続けると思います。それに伴って黒鉛電極の価格も上がり続けるかもしれません。
      ただ、黒鉛電極の価格が上がることと、利益が増えることは別の話だと思います。
      結局、便乗値上げができない限りは、利幅は一緒か下降していきます。
      やはり鍵を握るのは、中国産の品質動向なのでしょうが、こればかりはなんともわかりません。

      おっしゃるように今後の決算の説明を注意深く見ていき、判断するしかなさそうです。

  2. カーボン屋 より:

    時折拝見させていただいております。貴重な情報ありがとうございます。
    結果論ですが、2020年1月から国内電極の価格は下がりで決定しております。
    様々な要因によって価格が上下しますが、個人的には中国での生産はこれからもやっぱり増産すると思います。
    国内メーカーは中国製の物と一緒にしないで欲しいと言いますが、やはり中国の生産量が多く、国際価格をリードしていく事になると思うので、ドイツもアメリカも日本も価格を今後も下げざるを得ないと思います。
    その中でいかに価格をステイできるかあの手この手と国内メーカーも策を講じてくるはずです。
    現状国内メーカーはあえて生産減させてるという話も聞きますし・・・
    ニードルの値動きは予想がつかないですが、電極メーカーの利益率が下がるのは間違いないかと。
    近い将来国内メーカーはまた電極が足手まといになるでしょう。
    取り扱いのあるユーザー、商社としては、価格の上下より電極の生産停止、統合、最悪M&A(一部部署)なども想定しております。

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